そのことが伝わってくる6個の特徴を概観してみよう。

1. Dynamic Perspective

Dynamic Perspectiveは、3D効果を用いたユーザーインターフェース(UI)。このUIは、ユーザーの顔と目を端末前面の画角120°の4カメラで認識し、視線はどうなっているのか、どのように端末を持っているのかをリアルタイム検出することで、片手で端末を操作することができるシステムを採用している。たとえば、手前に傾ければオートスクロールするし、横にさっと傾ければナビゲーションが表示されるなど、多様な操作方法を実現。アプリやゲームでの活用が見込まれる。

また、端末を見る角度によって、画面内のオブジェクトの見え方が変わる。地図アプリを見てみると、立体的に表示されたビルを見る角度を滑らかに変更できる。画面の中に、箱庭があるような印象だ。

2. Firefly

Fireflyも、開発者向けSDKが用意される。

3. Mayday

Maydayは、無料で365日24時間対応するテクニカル・カスタマーサービス。予約は不要で、15秒以内の応答を目指すとしている。サポートはビデオ通話でおこなわれるが、オペレーター側からユーザーを見ることはできない(音声は双方向、ビデオは一方通行)。

ビデオ通話のモーダルウィンドウは、サポートを受けたい機能の画面に表示される。サポートを受けるユーザーとして嬉しいのは、オペレーターがユーザー端末の画面上に直接手書きで指示を書き込める点だろう。

4. 199ドルの戦略価格

iPhone発売当初と同様に、米通信キャリアAT&Tによる独占取り扱いとなったFire Phoneだが、2年縛りありの32GBモデルの販売価格は199ドルと、他ブランド端末より安価となっている(Galaxy S 5は16GBモデルで199.99ドル、iPhone 5s 32GBモデルは299.99ドル)。 なお、Fire Phoneには64GBモデルも用意されており、価格は299ドルとなる。

また、プライム会員がFire Phoneを購入した場合でも、追加料金なしで会員資格を1年間延長する。既にプライム会員なら、実質的に100ドルで購入することができるということになる。 ここまで紹介した機能以外にも、Fire Phoneにはいくつか面白い機能や特徴がある。カルーセルタイプのウィジェット、絡みにくいプレミアムヘッドセット、視聴習慣を学習して動画コンテンツを高速表示するASAP機能などだ。 一応、端末スペックも簡単に紹介すると、端末のサイズは、139.2mm × 66.5mm × 8.9mmの160グラムとなっており、クアッドコアSnapdragon 800 2.2GHzのプロセッサと2GBのRAMを搭載する。1280 × 720ピクセルの4.7インチ HD LCDディスプレイ(315ppi)。 バッテリー容量は2,400mAhとなっている。 モバイルユーザーを自社サービスに囲い込もうとするベゾスCEOの帝国建設計画が、Fire Phoneによって加速されることになるのか否か。通信関連業界だけでなく、流通やコンテンツ業界などを広範に巻き込む話題であるだけに、世界中から注目されるところだ。