一時は「高価な製品」という印象のあったiPhoneですが、最近は手ごろな価格で手に入るiPhone SE(第二世代)などがラインアップされています。とはいえ、Androidスマートフォンも中級機種やコスパに優れる製品が増えています。 そこで今回は、iPhoneとAndroidスマートフォンを比較して、どちらがおすすめなのかを考えてみたいと思います。ユーザーによって重きを置く部分が異なりますので、どちらを選ぶかの判断は異なってくるでしょう。多くの項目で比較していますが、選択のためのヒントになれば幸いです。 ところが、Androidスマホでは製品名を言っても理解してもらえないことがよくあります。「Galaxy S21」や「AQUOS sense 4」といった人気モデルでさえ、その形を頭に思い浮かべられる人は少ないはずです。 製品としてのブランド力は、iPhoneが断然高いといえるでしょう。しかも、iPhoneは型番でだいたいの世代が把握できるので、わかりやすいのです。 対して、AndroidはオープンなOSなので、数え切れないほど多くのメーカーが搭載するスマホ(Androidスマートフォン)を販売しています。最近では、Xiaomi、OPPOなどのメーカーも日本に参入しており、ますます製品数は増えています。 これは、MacとWindowsの構図とほぼ同じです。機種数は圧倒的にAndroidのほうが多く、幅広いラインアップから選びたいならAndroidスマホが有利です。 iPhoneも値段が下がってきており、現在アップルストアで購入できる最も安価なiPhoneは「iPhone SE(第2世代)」で、4万9280円からとなっています。MVNO事業者によってはiPhone 7などを安く販売したり、中古整備品を販売しているケースも見受けられます。それほどまでに、iPhoneを求めている人は多いのです。 iPhone XRやiPhone 11あたりを使っているユーザーも少なくないので、中古での売り買いもさかんです。新モデルを購入すると1〜2年後の買い取り価格は、Androidスマホに比べてかなり有利になるでしょう。 たとえば、ある買い取り店での「AQUOS sense 3」の買取価格は1万5000円です(以下すべてSIMフリー版)。対して、iPhone XRの買い取り価格は64GBで3万2000円です。iPhone SE(第1世代)の64GBモデルでさえ1万3000円、iPhone 8は64GBモデルで2万円もします。 同じ楽天モバイルでも、iPhoneは本体代金が高いので月々1149円の48回払いからとなります(iPhone SE 第2世代)。ブランドや機種にこだわることなく、とにかく費用を抑えたいならAndroidスマホを選ぶほうが賢明です。 なかには専用のペンで手書きができるGalaxy Noteシリーズなども用意されています。しかし、iPhoneにはそういったバリエーションはありません。 折りたたみモデルもいくつかのメーカーから販売されています。インカメラをディスプレイの下に仕込み、その存在をわからなくしている機種や、アウトカメラが回転してインカメラとして使える製品もあります。また、ディスプレイと接続するとパソコンのように使える製品も増えています。サムスンの「DeX」、LGの「デスクトップモード」などです。 一方、iPhone独自のハードウェアは、Aシリーズの独自チップ、Lightning端子、LiDARスキャナ、MagSafeなどを採用しています。それでも、Androidスマホ全体と比べると多くありません。 そもそも製造メーカーが多いAndroidスマホは、先進的な機能をどんどん搭載するメーカーが多いのです。全体的に比較すれば、Androidのほうが先進的と言えるでしょう。 Androidスマホは、microSDカードによるストレージの増設に対応しています。USB-C端子を搭載しているモデルがほとんどで、外付けのストレージも使いやすくなっています。 iPhoneにはイヤホンジャックが搭載されていません(iPhone 6sまで搭載していた)。Androidスマホでは機種によりますが、中級モデル以下は多くの製品が搭載しています。 おサイフケータイは、今買えるiPhoneのすべてが採用しています。Androidスマホも採用モデルが増えていますが、SIMフリーの格安機は非搭載の製品も少なくありません。必要な人は購入時によく確認してください。 1億画素、100倍ズーム、フルサイズの1インチセンサーなどを搭載した機種も登場しています。最近ではライカブランドのスマホまで登場しました。動画撮影も同様で、8K動画を撮れる機種も登場しています。 より高速に通信できる「ミリ波」への対応は、Androidスマホのみの対応となります。とはいえ、そもそも5Gで通信できるエリアは広くありません。まだ2〜3年はLTEのみでも十分でしょう。また、ミリ波のメリットは3年後でもあまり感じられない可能性があります。 5Gは高性能なモデルほど対応しています。価格を抑えたいユーザーは、まださほど気にしなくてもよいでしょう。 とはいえ、今買えるiPhoneで最も安価なiPhone SE 第2世代でさえ、A13を採用しています。これはかなり高性能です。安価なAndroidスマホは、Snapdragonの600番台を搭載している製品が目立ちますが、比較するとiPhone SE 第2世代のほうが性能は上です。 ただし、価格差もあります。Androidスマホの4〜5万円台のモデルとiPhone SE 第2世代を比べると、性能差はあまりないといえそうです。トータルでみれば、同じ価格帯なら性能はあまり変わらないと考えていいでしょう。 iOSはiPhoneだけが採用するので、統一感があります。製品を買い換えた際に迷わず使えるのはiPhoneのほうです。iOSとAndroidでは、機能にもいろいろな違いがあります。たとえば、Androidは複数アカウントでログインできますが、iOSはできません。 ただし、OSは慣れているほうが使いやすいと感じるので、良し悪しを決めるのには向きません。 またiPhoneには、NumbersやiMovieなどアップル製の魅力的なアプリがプリインストールされています。AndroidスマホにはGoogle製のGoogleマップやカレンダーなどのアプリがインストールされていますが、こちらはiPhoneでも使えます。一部のAndroidスマホメーカーはオリジナルのアプリを提供していますが、アップル製のアプリほど優れたものは見当たりません。 Googleが太っ腹なわけですが、アプリの対応という観点から見ると、iPhoneのほうが優れていると言えそうです。 自分が使っているスマホが古かったり、レアなモデルだったりすると使えない周辺機器が出てくる可能性があり、それがよくわからないのが困りものです。iPhoneの場合は、使えるか使えないかが明確にわかります。 AirPodsは、iPhoneだけでなく、Androidスマホでも利用できますが、ペアリングなどの使い勝手が大きく違います。やはり、iPhoneで使ったほうが便利です。最近登場したAirTagもiPhoneでしか利用できませんし、iPhone 12シリーズが採用するMagSafeも便利です。 ざっくり言えば、iPhoneはアップル製のさまざまな周辺機器をとても快適に使える環境が整っているわけです。Mac、iPadとの相性の良さも素晴らしい限りです。Galaxyシリーズなど、Androidスマホでも同様に周辺機器を出しているメーカーもありますが、iPhoneと周辺機器の組み合わせには及びません。 また、iPhoneは機種によって最高で20Wの急速充電に対応しますが、Androidスマホは機種によって40Wを超える急速充電ができるものもあります。さらに、5000mAhを超える大容量バッテリーを内蔵するモデルも登場しています。 充電に関しては、Androidスマホのほうが進んでいることは間違いありません。 ワイヤレス充電はiPhoneの多くの機種が対応している一方、Androidスマホは機種によって異なります。iPhone 12シリーズはMagSafeを搭載し、ワイヤレス充電パッドを磁石でくっつけることもできます。 最新のiOS 14は、iPhone SE(第1世代)とiPhone 6s以降に対応しています。iPhone 6sは2015年の秋に発売されていますから、およそ6年前のモデルです。間違いなくあと1年は最新OSで利用できるため、約7年間は最新の状態で使えるわけです。 Androidスマホは、OSのアップデートがあってもせいぜい1〜2回。2〜3年ほど最新の状態で使えれば御の字です。しかも、いつまで新しいOSが対応するかはよくわからないモデルがほとんど。なお、Google製のPixelシリーズは、アップデートの保証期限が明記されています。 古いモデルは、修理業者に持ち込むと安い部品を使うため安価な修理ができます。アップルの修理対応はできなくなる可能性はありますが、少しでも安く使いたいならこんな工夫も可能です。 ところが、Androidスマホの修理に対応している業者はあまりありません。多くが携帯キャリアに持ち込んで日数を掛けて修理することになります。SIMフリーのモデルはメーカーに送って直すケースがほとんどで、こちらも日数が掛かります。 トータルでどちらが良いかは、皆さんが重要視するポイントで考えてください。「iPhoneとAndroidがほとんど変わらなくなった」と言われることもありますが、こうして考えるとまだ大きく違う点も少なくないようです。 本記事に関連して、iPhoneとAndroidスマホの比較ポイントを動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。

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